2026年4月から電気代とガス代が上がった。補助金ゼロになって実際いくら増えるのか

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3月の電気代と4月の電気代の明細を並べてみたら、数字が違った。

毎月なんとなく払って、なんとなく高くなっているな、と思いながら流してきたが、今月の明細を見て「あ、これはっきり変わったな」と感じた。補助金がゼロになった月だ。

4月から電気代とガス代が一斉に上がっている。大手電力10社すべて、ガス大手4社すべてが値上げした。理由は一つではなく、「補助金の終了」と「再エネ賦課金の引き上げ」が同時に来た結果だ。

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Photo by Ashley Levinson on Unsplash

何が変わったのか:補助金が段階的にゼロになった

政府は2023年から「電気・ガス料金支援」という補助金を出してきた。電力会社が徴収する料金から一定額を国が肩代わりする形で、家庭の電気代を抑える仕組みだ。

この補助金は2026年に入ってから段階的に縮小した。1〜2月の使用分(2〜3月請求)は1kWhあたり1.50円を補填。3月の使用分(4月請求)は0.50円に縮小。そして4月の使用分(5月請求)からは完全にゼロになる。

つまり、今月受け取る5月の請求書が「補助金ゼロ」の最初の請求書になる。4月の使用分で初めてフル価格が適用される。ニュースで「4月から値上がり」と言われているのは、この請求タイムラグがあるためだ。

大手電力10社が一斉値上げ:東京電力は月+457円

大手電力10社(北海道・東北・東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州・沖縄)がすべて4月使用分から値上げした。

東京電力の場合、標準的な家庭(月260kWh使用、スタンダードS・30A)で前月比プラス457円。この数字の内訳は、補助金終了による約390円増と、再エネ賦課金引き上げによる約67円増だ。

他の電力会社も同様の水準で、全国の標準家庭(260kWh/月)で月400〜460円程度の増加になっている。

再エネ賦課金が過去最高に:1kWhあたり4.18円

再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金)は、太陽光・風力などの再生可能エネルギーの買取費用を電気利用者全員が負担する仕組みだ。2026年度の単価は1kWhあたり4.18円で、過去最高を更新した。

3年間の推移を見ると、FY2023の1.40円から、FY2024に3.49円(大幅引き上げ)、FY2025に3.98円、そして今年4.18円と上昇し続けている。3年で約3倍になった計算だ。

月400kWh使う家庭では、再エネ賦課金だけで月1,672円、年間で20,064円を負担する。これはもはや「少額の付加費用」とは言えない水準だ。

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Photo by Lucas Calloch on Unsplash

ガスも同時に上がった

電気だけでなく都市ガスも4月から値上がりしている。

東京ガスは標準家庭(月30㎥使用)で月プラス416円。大阪ガス・東邦ガス・西部ガスは148〜195円程度の増加だ。東京ガスの値上げ幅が大きいのは、ガスの補助金(1.10円/MJ)もゼロになったためだ。

電気とガスを合わせると、標準的な家庭での月の負担増は550〜880円程度になる。東京で電気も東京ガスも使っている家庭は、最大で月873円(457+416円)の増加になる。

家族構成別:実際いくら増えるか

使用量によって差があるので、家族構成別に整理する。

一人暮らし(電気100〜150kWh、ガス10〜15㎥/月):電気代プラス150〜230円、ガス代プラス50〜140円。合計で月200〜370円程度の増加。

夫婦2人(電気200〜250kWh、ガス20〜25㎥/月):電気代プラス310〜390円、ガス代プラス100〜280円。合計で月410〜670円程度。

4人家族(電気350〜450kWh、ガス30〜40㎥/月):電気代プラス540〜690円、ガス代プラス140〜560円。合計で月680〜1,250円程度の増加になる。

4人家族で試算すると年間で8,000〜15,000円の負担増だ。他の食品値上がりと重なると、家計への圧迫感はかなりある。

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3年前から比べると:「じわじわ」の正体

ここ1〜2年で「電気代が高くなった気がする」と感じている人は多いと思う。その感覚は正しい。

再エネ賦課金だけで見ると、2023年度の1.40円から2026年度の4.18円へと3年で約3倍になった。補助金がある期間はその上昇が見えにくかったが、補助金ゼロになった今、実質のコストが一気に見える形になった。

標準的な電気+ガス利用の家庭(2〜3人世帯)で、2023年対比の月額負担増は1,600〜3,000円規模になっているという試算もある。「毎月高くなってる気がする」のは気のせいではなく、実際にそうなっていた。

補助金はなぜ終わったのか:政策の経緯を整理する

そもそもこの補助金は、2022〜2023年のエネルギー価格高騰(ロシアのウクライナ侵攻による天然ガス・石炭の急騰)を受けて、岸田政権が「物価高対策」として導入した時限措置だった。

当初は2023年末で終了の予定だったが、物価高が続いたため延長に延長を重ねた。2024年、2025年と延ばしてきて、今年の1〜3月使用分(2〜4月請求)まで縮小しながら続けた後、4月使用分(5月請求)でついに終了した。

つまりこの補助金は「ずっともらえるもの」ではなく、最初から「期限付きの緊急措置」だった。それが3年かけて少しずつ終わったということだ。終わること自体は予告されていたが、こうして現実になると家計へのインパクトを改めて感じる。

電力会社を乗り換えるべきか?自由化の活用を考える

電力自由化により、大手電力会社以外の新電力を選べるエリアに住んでいる場合、プランの乗り換えで月々の負担を下げられる可能性がある。ただし注意点もある。

2022〜2023年のエネルギー高騰期に新電力の多くが撤退・値上げし、「大手に戻す」という逆流も起きた。今は価格が落ち着いてきた分、改めて比較してみる価値はある。エネチェンジやスイッチミーなどの比較サイトで、郵便番号と月の使用量を入れると現在の契約との差額が出る。切り替え手続き自体は無料・オンラインでできる場合が多い。

すぐに乗り換えなくても、まずは「自分がどこの電力会社・プランを使っているか」「月何kWh使っているか」を確認しておくと、今後の比較がしやすくなる。

新しい補助金の予定はあるのか

残念ながら、現時点で新たな補助金は発表されていない。高市首相は「必要であれば追加対応を排除しない」と述べているが、具体的な計画・予算・スケジュールは示されていない。

補正予算での対応を期待する声もあるが、少なくとも5月・6月の請求書は補助金なしのフル価格が来ると考えておいた方がいい。

オール電化住宅の人はより大きな影響を受けている

ガスを使わずすべて電気でまかなう「オール電化」住宅の場合、影響はさらに大きい。ガス代の節約分がない代わりに、電気の使用量が多くなるからだ。

給湯・暖房もすべて電気で賄うオール電化の家庭では、月の使用量が600〜800kWhになるケースも珍しくない。再エネ賦課金4.18円で800kWh計算すると、月3,344円が賦課金だけでかかる。年間に直すと40,000円超だ。3年前(1.40円/kWh時代)の年間負担と比べると、13,000円以上増加している計算になる。

オール電化にした当時は「ガスより安い」という判断だったかもしれないが、電気代の上昇ペースが想定外だったと感じている人も多いはずだ。ただし、オール電化には深夜電力の割安プランが適用されるケースがあるため、プランの見直しで一定の対応ができる可能性はある。

今できること:極端な節電よりまず「見える化」

すぐに何万円も削れる魔法の対策はないが、まずやれることがある。

電力会社のマイページで月別の使用量を確認する。過去1年の推移を見ると、どの月・どの時間帯に使っているかが見えてくる。電力の自由化で乗り換えが可能なエリアに住んでいれば、比較サイトで現在の契約より安いプランがないか確認するのも選択肢だ。

うちでも先月、電気のアンペア数を30Aから20Aに下げた。一人暮らしや2人世帯なら30Aは過剰なことが多い。基本料金が下がるので、毎月の請求が少し減った。劇的な変化ではないが、できることから積み上げるしかない。

今月から補助金ゼロ。「上がるらしいな」と聞いていた話が、5月の請求書で現実になる。明細が届いたら、一度ちゃんと数字を確認してみてほしい。

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