マイナ保険証、今どうなってる?従来の保険証はいつまで使えて、使えなくなったらどうするか

日本生活

財布の中の健康保険証、まだ使えると思ってる?

2024年12月に健康保険証の新規発行が止まった。それからもう1年以上が経って、「マイナ保険証に切り替えないといけないのはわかってるけど、正直よくわからないまま来てしまった」という人は多いはずだ。今の状況を整理する。

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今の保険証はいつまで使えるのか

結論から言うと、手元にある従来の健康保険証は2026年7月31日まで使える。当初は2025年12月1日で期限が来る予定だったが、準備が整っていない人が多いとして措置が延長された。さらに当初の延長期限(2026年3月末)も再延長され、現在は7月31日が最終期限になっている。

ただし「延長された」という情報が届いていない人も多く、「もう使えなくなったのかと思って病院で慌てた」という声がSNSで散見される。手元の保険証の有効期限を確認しておくことは最低限やっておいてほしい。

マイナカード取得率は81%だが、保険証として使っている人は6割

2026年1月末時点のマイナンバーカードの取得率は約81.2%。5人に1人はまだマイナカードを持っていない。さらに、カードは持っているが健康保険証として登録・利用していない人も多く、実際のマイナ保険証利用率は6割程度にとどまっている。

特に85歳以上の利用率は約24%と極めて低い。高齢者のカードリーダー操作への不慣れや、暗証番号管理の難しさが背景にある。

マイナ保険証を持っていない場合:資格確認書という選択肢

「マイナ保険証を持っていないと病院に行けなくなるのか」という心配は、今の段階では当たらない。マイナ保険証を使わない人向けに「資格確認書」という証明書が用意されている。

資格確認書は申請不要で各保険者(協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険など)から自動的に送られてくる仕組みだ。これを病院の受付で見せれば、従来の保険証と同じように保険診療を受けられる。従来の保険証が使えなくなっても、この資格確認書があれば継続して医療機関を受診できる。

ただし「資格情報のお知らせ」という別の通知を、資格確認書と間違えて病院に持参するケースが多発している。名前が似ているので紛らわしいが、「資格情報のお知らせ」は正式な受診証明書ではない。封筒の中身をよく確認してほしい。

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マイナ保険証の使い方:病院でどうすればいいか

マイナ保険証を使う場合、病院の受付にあるカードリーダーにマイナンバーカードを差し込む(カバーは外す)。顔認証か暗証番号(数字4桁)で本人確認をして、薬剤情報・健診情報の閲覧に同意するかを選択する。これで受付が完了する。

注意点として、従来の保険証は月1回受付に提示するだけでよかったが、マイナ保険証は毎回受診するたびにカードリーダーを通す必要がある。「今月はもう出した」という感覚ではなく、毎回の操作が必要だ。

スマートフォンにマイナンバーカードの機能を搭載する対応は2025年9月から順次開始されているが、対応医療機関はまだ限られている。

よくあるトラブルと対処法

医療機関の約9割で何らかのトラブルが起きているというデータがある。実際に多いのはカードリーダーの不具合やネットワークエラーで、「一旦10割負担で払ってください」と言われたケースが2025年8月以降で約3,400件発生している。

もう一つ要注意なのが電子証明書の有効期限だ。マイナンバーカードの有効期限は10年だが、カードに内蔵された電子証明書の有効期限は5年だ。カード自体は有効期限内でも電子証明書が切れていると、マイナ保険証として使えなくなる。約1,500万枚が切れかけているとも言われており、自分のカードがどちらの期限にあるか確認しておくことを勧める。

マイナ保険証のメリットとデメリット、正直に整理する

メリットとして挙げられているのは、過去の薬剤情報や健診結果を医師が確認できることだ。複数の病院にかかっている場合、重複した薬の処方や飲み合わせの問題をチェックしやすくなる。高額療養費制度の利用時に一時支払いが不要になるのも便利な点だ。引越しや転職後に保険証を切り替える手続きが不要になる点も地味に助かる。

デメリットとして現実的なのは、毎回カードリーダー操作が必要なこと、暗証番号を忘れると使えなくなること、医療機関でのシステムトラブルに巻き込まれるリスクがあることだ。

なお、以前は「マイナ保険証を使うと初診料が安くなる」という優遇措置があったが、2024年11月の診療報酬改定で廃止された。現在は利用するかどうかにかかわらず一律の金額だ。「マイナ保険証を使った方が得」という経済的なメリットは今はない。

A person holding a hello kitty card in their hand

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紛失した場合・使えなくなった場合はどうするか

マイナンバーカードを紛失した場合、まずマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に連絡して一時利用停止を申請する。再発行が完了するまでの間は資格確認書が交付されるので、病院受診には困らない。

紛失中に急病で病院に行った場合、一旦全額自己負担になる可能性がある。後日、保険者に申請して払い戻しを受ける手続きが必要になるため、余裕がある時に手続きをしておくことが大切だ。

高齢者・スマホが苦手な人はどうすればいいか

カードリーダーの操作が難しい、暗証番号を覚えていない、という人は特に高齢者に多い。こうした人向けの対応として、医療機関での「目視モード」という確認方法が設けられている。カードを機械に通さず、受付スタッフが目視でカードを確認する形だ。

後期高齢者医療制度の被保険者(75歳以上)については、マイナ保険証の有無にかかわらず2026年7月末まで資格確認書が自動交付される措置が取られている。急いでマイナ保険証に切り替えなくてもすぐには困らない仕組みになっているので、焦らずに対応を検討していい。

スマートフォンへのマイナカード機能搭載(いわゆる「スマホ用電子証明書」)は2025年9月から始まっているが、まだ対応している医療機関が限られている。2026年秋頃にAndroid版マイナンバーカードへの刷新が予定されており、徐々に環境が整ってくる見通しだ。

「マイナ保険証に切り替えるべきか」という判断

正直なところ、「絶対に今すぐ切り替えなければ」という状況ではない。7月末までは手元の保険証が使えるし、それ以降も資格確認書があれば受診できる。マイナ保険証に切り替えることで追加の経済的メリット(初診料の優遇など)は現在はなくなっている。

一方で、長い目で見れば医療情報の連携や高額療養費の自動適用など、利便性が上がる仕組みが整ってきている。過去の薬剤情報を医師がすぐ確認できることは、複数の病院にかかっている人や高齢者にとって特にメリットが大きい。

「マイナカードはあるけど病院で使ったことがない」という人は、まず近くのかかりつけ医で一度試してみるのが一番わかりやすい。操作が思ったより簡単だと感じる人も多いし、逆にトラブルを体験してから「資格確認書でいいや」と決める人もいる。使ってみることで判断材料が増える。

今すぐ確認しておくべきこと

今の状況をまとめると、手元の従来の保険証は7月末まで使える。それ以降は資格確認書か、マイナ保険証での受診が必要になる。資格確認書は申請しなくても届く仕組みだが、届いているかどうか確認しておく価値はある。マイナンバーカードを持っている人は、電子証明書の有効期限も合わせて確認しておくといい。

いずれにしても「まだ何とかなっている」状況が続いているが、7月末以降は何らかの対応が必要になる。早めに動いた方が混雑に巻き込まれずに済むのは間違いない。

個人的に一番驚いたのは、電子証明書の有効期限がカードの有効期限と違う、という点だった。マイナカードは10年持つが、保険証として機能する電子証明書は5年で切れる。更新はマイナンバーカードを持って市区町村の窓口に行く必要がある。カードの有効期限だけ見て「まだ大丈夫」と思っていると、病院でエラーが出て慌てることになる。自分のカードに貼ってあるシールや、マイナポータルで期限を確認しておくことをすすめる。

制度が複雑すぎる、という批判は正直もっともだと思う。でも現状がこうである以上、把握して対応するしかない。まず手元の証明書の種類と期限を確認するところから始めよう。わからないことがあれば、加入している健康保険の窓口か、市区町村のマイナンバー担当窓口に問い合わせると丁寧に教えてもらえる。慌てて動く必要はないが、7月末という期限は意識しておいてほしい。

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