2年。旧Sexy Zoneがtimeleszとして再出発してから、まだそれしか経っていない。その2年目のスタート直後に、菊池風磨が活動休止を発表した。
4月22日、STARTO ENTERTAINMENTの公式サイトにアナウンスが載った。理由は「喉の不調が続いているため、医師の診察・治療に専念する」。期間は「数週間」の見通し。
短い文章だった。でも、その短さが逆に重かった。
菊池風磨といえば、俳優としてもドラマで存在感を発揮し、グループの中心として歌もステージもこなしてきた人だ。そのマルチな活動量を考えると、「喉の不調」のひと言が、どれだけの疲弊を意味するか、なんとなく想像できてしまう。
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菊池風磨が活動休止──4月22日、timeleszが公式発表した「喉の不調」の詳細
発表の内容を整理する。STARTO ENTERTAINMENTが4月22日に公式サイトで発表したのは、菊池風磨が喉の不調を理由に活動を休止するというものだった。
休止の期間は「数週間」。具体的な日付は明示されていないが、医師の診察と治療に専念するための休みだという。菊池本人は、会員制ブログにコメントを投稿した。
「正直とても不甲斐ない思い」
この一言が、あの人らしいなと思った。誰かのせいにするでもなく、言い訳をするでもなく、自分への不満として率直に書いている。さらに「喉以外の体は元気です」「必ず戻ってきます」という言葉も添えられていた。
ファンへの安心感を優先した言葉の選び方だ、と感じた。喉以外は元気、という情報をわざわざ書いているのは、心配しすぎないでくれ、という気持ちからだろう。…いや、それだけじゃなくて、自分自身への言い聞かせでもあるのかもしれないか。
2025年から2026年にかけて、菊池は多忙な日々を送っていた。timeleszのツアー活動と並行して、ドラマへの出演、バラエティ番組への参加が続いていた。俳優業・歌手業・タレント業を同時進行でこなすスタイルは、体への負担を長期間にわたって積み重ねる。喉はその蓄積が、もっとも顕著に出やすい器官だ。
今回の休止は、「壊れてから休む」ではなく「治療して戻る」ための決断だった。その判断は、長い目で見れば正しい。
timeleszとは何か──旧Sexy Zoneから改称、新体制2年目に何が起きたのか
菊池風磨の活動休止を理解するには、timeleszという存在を知っておく必要がある。
Sexy ZoneからtimeleszへのグループName変更の経緯
Sexy Zoneは2011年にジャニーズ(現STARTO ENTERTAINMENT)からデビューしたグループだ。「シーズー」という愛称でも知られ、菊池風磨・中島健人・松島聡・佐藤勝利・マリウス葉の5人でスタートした。その後、佐藤勝利が2023年に独立し、マリウス葉も活動を縮小。グループ名と体制を一新する形で、2023年末に「timelesz」として再出発した。
グループ名の由来は「時代を超えた存在へ」というコンセプト。英語の「timeless」をわずかに変形させた造語で、過去の自分たちを否定せず、進化する形で前に進む意志が込められている。
改称当時、ファンの間では戸惑いもあった。長年親しんできた「Sexy Zone」という名前への愛着は深い。それでも、グループが前を向いて選んだ名前として、多くのファンは受け入れていった。僕も当時、ニュースで見かけて「大きな決断だな」と思ったのを覚えている。改名するグループは少なくないが、timeleszの場合はそれだけ覚悟があった。
再出発から2年。新グループ名に慣れてきたタイミングで、今度は中心メンバーの活動休止という事態を迎えた。2年はあっという間だ。それだけに、今回の発表は「また試練か」とも見えるし、「でも乗り越えてきたグループだから」とも思えた。
菊池風磨とはどんなアーティストか──俳優・歌手としての二面性
菊池風磨は1994年3月7日生まれ、現在32歳。グループの中では「兄貴分」的なポジションを担いながら、個人としても幅広く活動してきた。
俳優としては複数のドラマに出演し、独自の存在感を確立している。バラエティ番組でも見せるキャラクターと、ドラマでの役どころのギャップが評価されてきた。歌手としては、timeleszのライブパフォーマンスで高音域もこなす。その二面性が、ファン層の幅広さにつながっている。
やりたいことが多い分、体への負荷も大きい。それが今回の喉の不調に表れた形だ。
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なぜ歌手は喉を壊すのか──声帯ポリープ・声帯炎・過労の仕組みをわかりやすく
喉の不調というのは、歌手にとって最大の職業的リスクのひとつだ。「ただの風邪でしょ」と軽く見られがちだが、声帯は非常に繊細な器官で、一度傷つくと回復に時間がかかる。
声帯は喉の奥にある薄い膜状の組織で、振動することで声を生み出す。ここに過剰な負荷がかかると、声帯ポリープや声帯結節、声帯炎といった症状が起きる。プロの歌手が特に注意しなければならない原因はいくつかある。
まず、高音域の連続使用。ライブで何曲も高音を出し続けると、声帯への物理的な摩擦が積み重なる。次に、野外ライブでの気温差。冷えた外気と体温の差は、声帯周辺の筋肉を硬化させる。そして、収録スケジュールの連続。ドラマやバラエティの収録では、セリフを何テイクも繰り返す。これが「無音での回復時間」を削っていく。
乾燥、逆流性食道炎、睡眠不足も、声帯へのダメージを加速させる要因だ。胃酸が食道に逆流すると声帯粘膜を傷め、喉に慢性的な炎症が起きやすくなる。多忙な生活では食事が不規則になりやすく、その結果として逆流が起きることも多い。
喉は正直だ。疲弊を隠せない。
プロ歌手が実践する喉ケア方法5選
では、実際にどんなケアが有効なのか。プロが実践している方法を5つにまとめた。
1. 加湿器の常時使用
就寝中の乾燥は声帯の大敵。部屋の湿度を50〜60%に保つことで、粘膜の乾燥を防ぐ。特に冬場と冷房の効いた季節は重要だ。
2. ネブライザーによる吸入療法
医療用ネブライザーで生理食塩水を霧状にして吸入する方法。声帯に直接うるおいを届けられるため、ライブ前後のケアに使うアーティストが多い。
3. マヌカハニーの摂取
ニュージーランド原産のマヌカハニーは、抗菌・抗炎症作用が強い。喉に塗りつけるように舐めることで、声帯周辺の炎症を和らげる効果があると言われる。歌手・俳優に愛用者が多い。
4. ウォームアップ発声(リップロール)
いきなり高音を出すのではなく、低音域から段階的に発声する準備運動。リップロール(唇をプルプル震わせながら声を出す)は声帯の緊張をほぐすための定番メソッドだ。
5. 声の沈黙時間(ボイスレスト)
声を完全に使わない時間を意図的に作る。ライブ翌日に「1日沈黙」を実践するプロもいる。普段の会話でもLINEや筆記で代替する。
これらを組み合わせることで、声帯への負担を最小化できる。ただ、それでも過密なスケジュールの前には限界があるのも事実だ。
過去に喉トラブルで休止した著名アーティストたち
菊池風磨だけが特別ではない。喉のトラブルで活動を止めた著名人は、国内外に多くいる。
King Gnu・常田大希は2022年、声帯出血を原因としてツアーを中断した。ファンへの告知は突然で、当時大きな衝撃が走った。back number・清水依与吏も声帯の不調で複数回にわたって公演を延期している。彼らほど「声が命」のアーティストでも、喉は必ず限界を迎える。
海外では、アデルが2012年のツアー前に声帯手術を受けたことが有名だ。その後の復活は伝説的で、同じく声帯ポリープを経験したジョン・メイヤーも「手術後のほうが声が豊かになった」と語っている。
休むことは、終わりではない。多くのアーティストが、声帯トラブルを経て復活してきた実績がある。菊池風磨も、そのひとりになるはずだ。
菊池風磨本人のコメント全文と、ファンへのメッセージ
菊池風磨は、公式発表と合わせて会員制ブログにコメントを投稿した。全文を以下に整理する。
「正直とても不甲斐ない思いです。喉以外の体は元気です。必ず戻ってきます。」
3文だけだ。でも、この3文に菊池らしさが詰まっている気がした。
「不甲斐ない」という言葉は、自己批判でもあるが、それだけ活動への責任感が強い証拠でもある。ファンへの申し訳なさと、自分への悔しさが混ざった言葉だ。この感情を正直に吐き出しているところが、この人の誠実さだと思う。
「喉以外の体は元気」という一節は、心配しすぎないでという配慮だ。深刻な病気ではなく、あくまでも喉の問題として伝えることで、ファンの不安を軽くしようとしている。
「必ず戻ってきます」は約束だ。断言の形を取った言葉は、これだけ読んでも力強い。「戻りたい」でも「戻れるよう頑張る」でもなく、「必ず戻る」。この確信の示し方は、ファンへの最大の気遣いだったはずだ。
X(旧Twitter)では#菊池風磨がトレンド入りした。コメント欄に溢れていたのは「ゆっくり休んでほしい」「治療に専念して」「待ってるよ」という言葉ばかりだった。批判的な声は、ほとんど見当たらなかった。
ファンとアーティストの信頼関係って、こういうときに見えるんだなと思った。
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活動休止でtimeleszの今後はどうなる──ツアー・予定されていた活動への影響
菊池風磨の活動休止は「数週間」の見通しだ。timeleszとしての活動にどんな影響があるか。
現時点では、休止期間中のツアー・イベントへの具体的な影響については詳細が発表されていない。STARTO ENTERTAINMENTは追って詳細を案内するとしているが、ファンにとっては「楽しみにしていたライブはどうなる?」という疑問が残る状況だ。
比較してみると、活動休止前のtimeleszは順調だった。2023年の改称から2年間、グループとして着実に実績を積み上げてきた。ツアーを重ね、楽曲をリリースし、メンバーそれぞれが個人活動でも結果を出してきた。新体制への期待が高まっていたタイミングだった。
その「期待が高まっているタイミング」に休止が発表される、というのは、関係者にとっても難しい状況だ。でも、ここで無理をして声帯を取り返しのつかない状態にしてしまうより、今しっかり治療してもらう方が、長期的に見れば全員にとっていい。
グループとして見ると、中島健人・松島聡が活動を継続する。2人体制や個人活動で対応していくことになるだろう。past実績でも、メンバーが欠けた期間を乗り越えてきたのがこのグループだ。timeleszは、その経験を持っている。
「数週間」という期間は、医療的な見通しとしてそれほど長くない。適切な治療を受ければ、回復できる。あとは菊池本人が焦らず、声帯に向き合えるかだ。
ファンにできること──「応援の形」を考える
「何もできないのがもどかしい」という声をSNSでよく見かけた。その気持ちはわかる。好きなアーティストが休んでいるとき、ファンとしての自分は何ができるかと考えてしまう。
でも、実は一番大切なことはシンプルだ。焦らせないこと。
「早く戻ってきてほしい」という気持ちは本物だし、伝えること自体は悪くない。ただ、それが「なんで休むの」という圧力になってしまうと、アーティスト本人のプレッシャーになる。今、菊池風磨自身がすでに「不甲斐ない」と感じている。それ以上の重さを加えなくていい。
SNSに「待ってるよ」と書くのは素直に優しい言葉だ。過去のライブ映像を見返したり、楽曲を聴き返したりして、戻ってきたときに全力で迎えるための時間にするのもいい。timeleszの音楽を、改めてじっくり聴いてみる。それだけで十分な「応援」になる気がする。
回復には「待つ」しかできないこともある。でも、「待つ」って結構すごいことだと思う。信頼があるから待てる。それがファンとアーティストの関係のひとつの形だ。
よくある質問(FAQ)
Q: 菊池風磨の活動休止はいつから?期間はどのくらい?
A: 2026年4月22日にSTARTO ENTERTAINMENTが発表しました。休止期間は「数週間」の見通しとされており、医師の診察・治療に専念するための休止です。復帰の具体的な日程は現時点では公表されていません。
Q: timeleszのメンバーは誰ですか?
A: 現在のtimeleszは、菊池風磨・中島健人・松島聡の3名が中心メンバーです。旧Sexy Zoneからはマリウス葉が活動を縮小しており、佐藤勝利は2023年に独立しています。グループ名は2023年末に「Sexy Zone」から「timelesz」に改称されました。
Q: 菊池風磨の喉の病気は何か診断されていますか?
A: 公式発表では「喉の不調が続いている」とのみ記載されており、具体的な病名は公表されていません。声帯の炎症や過労による喉のダメージが原因と見られ、医師の診察・治療に専念するとされています。
Q: timelesz(旧Sexy Zone)とはどんなグループですか?
A: 2011年にジャニーズ(現STARTO ENTERTAINMENT)からデビューしたグループです。長年「Sexy Zone」として活動し、2023年末に「timelesz(時代を超えた存在へ)」というコンセプトのもと改称しました。菊池風磨・中島健人を中心に、歌・ダンス・俳優業などマルチな活動を展開しています。
Q: 菊池風磨は活動休止中も会員制ブログは更新されますか?
A: 現時点では明確な情報はありませんが、活動休止中のコミュニケーション方法についてはSTARTO ENTERTAINMENTから随時案内があるものと思われます。公式サイトやグループの公式SNSでの情報確認をおすすめします。


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