375回。
今年のGW期間中に、10km以上の渋滞が発生する回数だ(NEXCO各社合算予測)。昨年実績の310回から約2割増し。「今年は5連休だから大したことない」と思っていた人は、ちょっと甘く見ていたかもしれない。
しかも今年は後半の5連休に休みが集中するため、ピーク日に出発・帰宅が重なりやすい日程になっている。早めに計画を立てておかないと、渋滞の中で何時間も消費することになる。
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2026年GWはどんな日程か──後半5連休に集中する構造
今年のGW全体の期間は4月25日(土)〜5月6日(水)の12日間。ただし、4月30日(木)と5月1日(金)は平日のため、何もしなければ前半2連休・後半5連休という「飛び石」構造だ。
後半の5連休(5月2日〜6日)を軸に動く人が多くなるため、渋滞もこの後半に集中する。有給を2日取って4月29日(水・祝)から5月6日(水)まで8連休にする人もいるが、そうなると前半後半両方で渋滞につかまる可能性がある。
また今年は5月6日(水)が振替休日になるため、Uターンのタイミングが例年より1日後ろにずれる人も多い。5日・6日で渋滞が分散するとの見方もあるが、それでも5日のピークはかなり激しいと予測されている。
ちなみに昨年(2025年)は10km以上の渋滞が年間310回の実績だったが、今年はすでに375回という予測が出ている。これだけ増える理由の一つは、車での旅行・帰省の需要が回復していることに加え、インバウンド旅行者による高速利用も増えていることだ。「去年は大丈夫だったから」という感覚が通用しない可能性がある。
下り線のピーク──「5月2日土曜の早朝」が最も危険
行楽・帰省方向の下り線でピークになるのは、5月2日(土)〜3日(日)だ。特に5月2日の朝6時〜7時台から渋滞が一気に悪化し始める。
路線別の最大渋滞予測を見ると、深刻なのが中央自動車道だ。相模湖IC付近(下り)で5月2日の午前5時ごろ、最大45kmの渋滞が予測されている。45kmといえば、東京〜横浜間の距離に相当する。時速10km以下の超低速走行が延々と続く状態で、通過に3〜4時間以上かかる可能性がある。
東北自動車道の羽生PA付近(下り)でも5月3日の午前8時ごろ、最大40kmの渋滞が見込まれる。関越道(下り)高坂SA付近でも最大30km。東名・小仏トンネル付近は例年GW中は慢性的に渋滞が続く箇所として知られている。
上り線のピーク──「5月5日の午後3時〜夜8時」は覚悟が必要
Uターンラッシュの上り線でピークになるのは、5月4日(月)〜5日(火)。中でも5月5日の午後3時〜夜8時が最も混雑する時間帯と予測されている。
関越自動車道(上り)坂戸西SIC付近で5月5日午後2時ごろ、最大40kmの渋滞が予測されている。関越道(上り)では高坂SA付近でも最大35km(5月4日午後6時ごろ)、東北道(上り)の加須IC付近で最大30km(5月5日午後5時ごろ)と、主要路線がどこも混雑する見込みだ。
なお今年は九州・西日本も渋滞が多い。九州自動車道(下り)筑紫野IC付近では5月2日朝〜昼に最大35km、神戸淡路鳴門道(上り)の舞子トンネル出口付近でも最大35km、名神高速(上り)大津IC付近でも5月2日に最大30kmが予測されている。地方・西日本方面に向かう人も油断禁物だ。
渋滞の規模感をつかみやすくするために目安を示しておくと、10km渋滞で約30分〜1時間の遅れ、30km渋滞で1.5〜3時間、45km渋滞になると3〜4時間以上というのが一般的な目安だ。中央道の45km渋滞が現実になれば、「朝8時に出発して、昼を回っても渋滞を抜けられない」という状況もありうる。
渋滞を避けるための3つのアプローチ
① 出発時間をずらす──深夜・早朝が圧倒的に有利
渋滞回避で最も効果があるのは、出発時間を変えることだ。午前3〜4時台の深夜出発なら、主要路線はほぼ渋滞ゼロの状態で走れる。早朝6時より前なら大幅に回避できる。
逆に下り線は朝6〜7時以降に急速に混雑し始め、午前中〜昼が最悪のタイミングになる。「朝早く起きて出発しよう」と思っていても、6時台では遅い可能性がある。本気で渋滞を避けたいなら「前夜出発」か「深夜出発」が現実的な選択肢だ。
帰りは逆に、午前中〜昼過ぎに早めに出るか、夜9時以降の「遅め帰宅」にするとピークを外せる。
② ルートを変える──新東名という選択肢
東名高速が混んでいる場合は、新東名(新東名高速道路)に切り替えるのが有効だ。設計速度が高く6車線区間が多いため、渋滞発生率は東名の約半分とされている。「なんとなく東名を走っていた」という人は、今年から新東名を試してみる価値がある。
また、NEXCO各社が提供する「ドラぷら」などのリアルタイム渋滞情報ツールを出発前と道中でこまめに確認しておくことで、混雑箇所を避けるルート変更がしやすくなる。カーナビのルート案内と、スマートフォンのGoogleマップやYahoo!カーナビを組み合わせて使うのも有効だ。リアルタイムの情報量は圧倒的に増えているので、昔のように「ただひたすら耐えるだけ」の渋滞対策は過去のものになっている。
③ 深夜割引を活用する──節約にもなる
GW期間中(4月25〜26日、4月29日、5月2〜6日)はETC休日割引が適用除外になる。ただし、深夜割引(午前0〜4時)は通常通り適用される。30%割引が受けられるため、深夜出発は渋滞回避と節約の両方に効く。
「深夜はちょっと怖い」という人もいるかもしれないが、交通量が少ない分だけ運転は楽だ。SA・PAで仮眠を取りながら進めば疲れも少ない。家族連れの場合は、子どもが眠っているうちに移動できるというメリットもある。
どうしてもピーク日に重なる場合の過ごし方
どうしてもピーク日・ピーク時間帯に移動しなければならない場合は、「渋滞を受け入れる」覚悟を決めた上でSAをうまく活用する方法がある。
渋滞のピーク時間帯(午前9〜12時など)にあえてSA・PAで休憩・食事をして過ごし、渋滞が多少落ち着いた時間帯に再出発するという作戦だ。動かない車の中でストレスをためるより、SAでのんびり食事をして2〜3時間やり過ごす方が体力的にも精神的にもましなことが多い。
最悪ケース(中央道45km渋滞)では、通過に4時間以上かかることも起こりうる。そうなると途中のSA・PAが実質的な「休憩地」ではなく「待機場所」になる。GW中の人気SAは食事やお土産の行列も長くなるので、軽食や飲み物は事前に用意しておくと安心だ。
渋滞情報はリアルタイムで変わる。出発前にNEXCOのドラぷらや、Googleマップの渋滞レイヤーを確認して、混雑箇所を把握してから走り出すのが基本だ。「とにかく早く着きたい」という気持ちはわかるが、渋滞の中でじわじわ進む2時間より、SAで涼しい室内に入って1時間待ってから走る方が、同じ時間でも疲れ方が全然違う。
子ども連れの場合は特に、渋滞中の車内での飽きや体調管理が課題になる。充電器、酔い止め薬、飲み物のストックは忘れずに。長時間の渋滞に備えた準備が、GWを楽しい思い出にするための最低限の投資だ。
今年のGW、早めの計画が渋滞回避のカギ
まとめると、今年のGWで渋滞が最も激しくなるのは下り線が5月2日(土)午前、上り線が5月5日(火)午後3〜8時だ。中央道(下り)では最大45km、関越道(上り)では最大40kmという予測が出ている。昨年比2割増という規模感は、侮れない。
渋滞を避けるには、出発時間を深夜・早朝にする、新東名などの代替ルートを使う、帰宅日を1日前後にずらすという組み合わせが効果的だ。深夜割引(0〜4時)を使えば節約にもなる。
「どうしても5月3日に出発したい」という場合でも、朝5時台に出発するだけで、多くの路線でピーク前に通過できる可能性が高い。「1時間早く起きる」という努力が、車内での3時間を節約することに直結する。GWの渋滞は、計画した人が勝つ。
まだ予定が固まっていない人は、今のうちに宿泊先・出発時間・ルートを一緒に考えておくと、GW本番がだいぶ楽になる。渋滞の中に突入してから「やっぱり1日ずらせばよかった」と後悔しても遅い。NEXCOのドラぷらで最新の渋滞カレンダーを確認しながら、今週中に方針を決めておくのがおすすめだ。


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