去年サボった健診、今年こそと思って調べたら──2026年度から協会けんぽの制度がけっこう変わっていた

日本情報

去年、会社の健康診断をサボってしまった。

正確には「サボった」というより、「気づいたら期限が過ぎていた」という感じだ。秋に「今月中に受けてください」という案内が来て、「来週予約しよう」と思っているうちに11月になり、気づいたら12月で、そのまま年が明けた。本当に情けない話だ。

今年こそはちゃんと受けようと思って、4月に入ってから健診の予約を取ろうと調べ始めた。そしたら、2026年度から制度がかなり変わっていることを知った。知らないまま受けていたら、損していたかもしれない。

a man standing next to an ambulance on a city street

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2026年度、協会けんぽの健診がどう変わったのか

まず大前提として、「協会けんぽ」は中小企業の会社員が加入している健康保険組合のこと。大企業は独自の健保組合があることが多いが、全国の約4割の会社員は協会けんぽに加入している。

この協会けんぽの健診制度が、2026年4月から大きく変わった。変更点は4つある。

① 節目健診が新設された

これまでの「付加健診」が廃止され、代わりに「節目健診」が導入された。対象は40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳・70歳の節目の年齢だ。

節目健診では、通常の一般健診にさらに詳しい検査が追加される。5歳刻みの節目の年に、より手厚い検診が受けられる仕組みだ。「今年45歳だ」という人は、ぜひ確認しておきたい。

② 人間ドック補助が初めて導入された

これが一番大きな変化かもしれない。2026年度から、35歳以上の被保険者(自分が保険料を払っている人)が人間ドックを受けた場合に、定額の補助が出るようになった。

これまで協会けんぽには人間ドックへの補助制度がなく、希望する人は全額自己負担だった。約3,900万人の加入者がこの新制度の対象になる。日帰り人間ドックは3〜6万円かかることが多いので、補助があると助かる。

③ 若い世代にも健診の機会が広がった

これまで生活習慣病予防健診の対象は35歳以上だったが、2026年度から20歳・25歳・30歳にも拡大された。「まだ若いし健診は関係ない」と思っていた人にも、受ける機会ができた。

④ 女性向けに骨粗鬆症検診が始まった

40歳以上の偶数年齢の女性を対象に、骨粗鬆症検診が補助対象になった。女性は閉経後に骨密度が急激に低下しやすく、早めの把握が重要とされている。「今年42歳」「今年44歳」という女性は要チェックだ。

そもそも健診には何種類あるのか、整理してみる

健診の話をすると、種類が多くてわかりにくい。ざっくり整理しておく。

会社健診(法定健診)は、労働安全衛生法に基づいて会社が実施する義務がある健診だ。費用は全額会社負担。年1回が基本で、10〜15項目の検査が含まれる。正社員はもちろん、週の労働時間が通常の4分の3以上のパート・契約社員も対象になる。「会社が費用を出してくれる健診をただ受けるだけ」と思っている人も多いかもしれないが、実はこれが最低限の義務健診だ。

特定健診は、40〜74歳の人が対象の「メタボ健診」だ。加入している健保組合から案内が来る。費用は一部補助があり、協会けんぽ加入者の場合の自己負担は最高5,282円(2025年度実績)。会社健診と特定健診はどちらか一方を受ければOKの場合が多いので、会社で受けていれば別途受ける必要はない。ただし、配偶者(被扶養者)は会社健診の対象外なので、特定健診の案内が来たら忘れずに受けておきたい。

人間ドックは任意受診で、50項目以上の詳しい検査が受けられる。日帰りで3〜6万円、1泊2日コースなら10万円以上のところもある。今回の制度改正で35歳以上の協会けんぽ加入者は補助が出るようになったのはありがたい。がん検診や胃カメラ、CT検査なども含めた総合的な確認ができるため、節目の年に一度受けておくと安心だ。

People waiting in a hallway with chairs and chairs

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40代・50代は特に受けてほしい──所見あり「6割」の現実

「健診を受けたことで早期発見できた」という話を聞くたびに、他人事じゃないなと思う。

50代は健康診断で「所見あり」(何らかの異常が見つかる)になる人が約6割に達するといわれている。10人に6人だ。がんの発症リスクが急増し始めるのも40代からで、50代男性は大腸がん・肺がん・胃がんのリスクが特に上がる。50代女性はホルモン減少による骨粗鬆症や動脈硬化のリスクが高まる時期でもある。

がん患者のうち、健診・検診でがんが発見された割合は15.0%。他の疾患の経過観察中に偶然見つかったケースも合わせると50.6%が医療機関での発見だという。早く見つかれば選択肢が広がる。これは変わらない事実だ。

40代・50代におすすめの追加検査としては、胸部CT(肺がん・肺気腫)、大腸内視鏡(大腸がん)、胃カメラ、女性なら乳がん検診や子宮がん検診が挙げられる。50代男性ならPSA検査(前立腺がんの早期発見)も選択肢に入れてほしい。

「お金がかかるから」という理由で追加検査を後回しにしがちだが、早期発見できれば治療費は大幅に抑えられる場合が多い。ステージ1で見つかるのとステージ4では、治療の選択肢も費用も、そして結果も大きく違う。健診への投資は、保険として考えると決して高くない。

受けない人が多いのはなぜか──特定健診の受診率は59.9%

2023年度の特定健診の受診率は59.9%で、過去最高を記録した。でも国の目標は70%で、まだ届いていない。10人に4人が受けていない計算だ。

なぜ受けないのか。理由はだいたい想像できる。「面倒くさい」「怖い」「忙しい」「どこで受ければいいかわからない」。去年の自分がまさにそうだった。「来週」と思っているうちに期限を過ぎてしまう。

…いや、これは言い訳だな。本当のところは「悪い結果が出たくない」という気持ちが少しあったかもしれない。でも、知らないままでいることの方がリスクが高い。それはわかっているのに、動けないというのが正直なところだ。

健診を毎年欠かさず受けている人と、一度も受けたことがない人では、5年後・10年後に大きな差が出る可能性がある。数字の話じゃなく、実感として「健康でいられる年数」が変わってくる。それだけの価値がある習慣だと思って、続けていきたい。

4月・5月は予約が取りやすい──今がチャンス

健診の予約にはタイミングがある。秋から年末にかけては「今年中に受けておこう」という人が集中し、混雑する。一方、4月・5月は比較的予約が取りやすい。新年度が始まったこのタイミングが、実は健診を受けるベストシーズンだ。秋から年末は「今年中に受けよう」という人が集中するため、人気の施設では数週間待ちになることもある。今動いておくとスムーズだ。

いくつか注意点を挙げておく。健診前日は夜9時までに食事を終え、アルコールは避ける。当日は朝食を抜いて(水やお茶は少量OK)、喫煙・飲酒はしない。当日の服装は着脱しやすいものが便利だ。

人間ドックを受ける場合、希望の月の3ヶ月以上前に予約するのが理想とされている。特に春は新年度で予約が動く時期なので、「受けよう」と思ったら早めに動いた方がいい。

健診の結果が「要精密検査」だったとき、怖くて再受診しない人が一定数いる。でも精密検査で「問題なし」で終わることも多いし、何か見つかっても早ければ早いほど対応の幅が広い。知ることが怖いのはわかる。でも知らないままでいるリスクの方が高いのも事実だ。

white and blue train on rail tracks during daytime

Photo by Roméo A. on Unsplash

まず会社や健保組合に問い合わせるところから

健診を受けようと思ったとき、最初のステップは「自分はどの健診をどこで受けられるか」を確認することだ。会社員であれば、人事・総務に「今年度の健診の案内はいつ来ますか」と聞くのが一番早い。特定健診や人間ドック補助については、協会けんぽのマイページや都道府県支部のサイトで確認できる。

フリーランスや自営業の場合は、国民健康保険の加入者向け健診として各市区町村が実施している「特定健診」が利用できる。自治体によって費用や内容が異なるので、住んでいる市区町村のウェブサイトで確認してみてほしい。

健診を受ける施設は、かかりつけの内科やクリニックでも受けられる場合が多い。「どこに行けばいいかわからない」という人は、まず協会けんぽの健診実施機関検索ページで近くの施設を探してみるといい。

去年サボった分を取り返すつもりで、今年こそちゃんと動こうと思っている。この記事を書きながら、自分へのリマインダーにもなった。4月のうちに予約を入れよう。今年こそは、11月になってから後悔しない。

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