先月のスマホ代の明細を見たとき、ため息が出た。
ドコモのプラン料金7,480円。それにオプション代が加わって、合計8,200円だった。光回線とのセット割が入っているはずなのに、それでもこの金額。「高いな」と思いながらも、毎月なんとなく払い続けていた。
きっかけは職場の同期の一言だった。「スマホ代、今月1,500円だったよ」と言われて、思わず「え、どこ使ってるの?」と聞き返した。格安SIMに乗り換えたのは去年の春で、IIJmioの15GBプランだという。月1,500円。僕の6分の1以下だ。
知らなかった。こんなに差があるとは。
その日の夜、格安SIMについて本気で調べた。乗り換えの手順、デメリット、2026年の最新事情。調べれば調べるほど「なんでもっと早くやらなかったんだろう」という気持ちになった。この記事は、そのときに調べたことをまとめたものだ。
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格安SIMに乗り換えるとスマホ代はいくら安くなるか
まず、金額の話から入りたい。大手キャリアと格安SIMの料金差は、想像以上に大きい。
ドコモ・au・ソフトバンクの主力プランは、データ無制限だと月7,000〜8,000円台が相場だ。20GBや30GBの中容量プランでも5,000〜6,000円はかかる。家族割や光回線とのセット割を使っても、一人あたり4,000〜5,000円を下回るのは難しい。
一方、格安SIMは2026年現在、こんな水準になっている。
- IIJmio(ギガプラン):2GB→850円、5GB→990円、15GB→1,500円
- 楽天モバイル:3GBまで→1,078円、無制限→3,278円
- y.u mobile:5GB→1,070円(家族割あり)
- LINEMO(ソフトバンク系):3GB→990円
IIJmioの15GBプランなら月1,500円。ドコモで7,480円払っていた僕が乗り換えると、単純計算で月5,980円の節約になる。年間にすると71,760円だ。
71,760円。
旅行に行ける金額だ。それが毎年キャリアに払い続けていたと思うと、頭が痛くなってきた。
「月3,000円以下」にする現実的な組み合わせ
「月3,000円以下」を目標にするなら、選択肢はいくつかある。一番コストを抑えられるのは、IIJmioの15GBプラン(1,500円)に、通話は必要なときだけIP電話アプリを使う組み合わせだ。動画を毎日見るほどヘビーに使わないなら、15GBで十分という人が多い。
楽天モバイルは3GBまで1,078円だが、使いすぎると自動的に上の料金帯に上がる仕組みなので、使用量の管理が必要だ。一方、楽天回線エリア内なら無制限(実質制限あり)で使えるため、自宅や職場が楽天エリアの人には強みになる。
…いや、これはちょっと正確じゃないか。楽天モバイルの「無制限」は実際には混雑時に制限がかかることがある。「無制限」という言葉に引っ張られすぎないほうがいい。
通話をある程度する人は、かけ放題オプションの有無も比較ポイントになる。IIJmioは5分かけ放題で月220円追加、楽天モバイルはRakuten Linkアプリを使えば通話が実質無料だ。
大手キャリアと格安SIMの通信品質の違い2026
料金の差は明白だ。では、なぜみんな格安SIMに乗り換えないのか。品質の問題があるからだ。
格安SIM(MVNO)は、大手キャリアから回線を借りて運営している。物理的なネットワーク自体はドコモやauのものを使っているのだが、借りた回線の帯域幅に限りがある。だから混雑しやすい時間帯は速度が落ちる。
具体的には、昼の12時台と夕方17〜19時ごろが要注意だ。ランチタイムにYouTubeが止まる、夕方に地図アプリの読み込みが遅い、といった体験をする人がいる。
ただし、2026年現在、この問題は以前ほど深刻ではなくなってきている。MVNOも借りる帯域を増やしていて、IIJmioは昼の速度改善を継続的に行っている。利用者の多い通勤ラッシュ時間帯に動画を途切れなく見たい、ゲームをリアルタイムでやりたい、という用途には向かないが、メールやSNS、地図アプリ、普通のウェブ閲覧なら問題ないレベルまで上がっている。
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大手サブブランドという選択肢
大手キャリアも「サブブランド」として格安プランを展開しており、格安SIMと大手キャリアの中間的な存在になっている。
- ahamo(ドコモ系):20GB→2,970円。国内通話5分かけ放題込み
- povo(au系):基本料0円で必要なトッピングを追加する仕組み
- LINEMO(ソフトバンク系):3GB→990円、20GB→2,728円
これらは大手キャリアの自社回線を優先的に使えるため、混雑時の速度が格安SIMよりも安定している。料金は格安SIMより少し高いが、速度を重視するならこちらが現実的な選択肢になる。
月3,000円以下を目指すなら格安SIM、多少の出費は許容して速度の安定を優先するならサブブランド、という整理がわかりやすい。
格安SIM乗り換えの手順──MNP予約番号からeSIM切替まで
「乗り換えは面倒そう」というイメージを持っている人が多いが、実際の手順はシンプルだ。最短で3日もあれば完了する。
ステップ1:MNP予約番号を取得する
MNPとは「Mobile Number Portability(モバイルナンバーポータビリティ)」の略で、今使っている電話番号をそのまま格安SIMに引き継ぐための手続きだ。今のキャリアからMNP予約番号を発行してもらう必要がある。
ドコモなら「ドコモオンライン手続き」からスマホで申請できる。auはau IDでログインして「契約の変更・解約」から、ソフトバンクはMy Softbankから申請できる。いずれも10〜15分もあれば完了する。MNP予約番号の有効期限は15日間なので、取得したらすぐに次のステップに進む。
2026年現在、MNP予約番号の発行手数料は無料になっている。以前は3,000円かかっていたが、法改正で廃止された。
ステップ2:格安SIMに申し込む
MNP予約番号を手元に置いて、移行先の格安SIMに申し込む。IIJmioなら公式サイトから申し込み可能だ。必要なものは本人確認書類(運転免許証かマイナンバーカード)とクレジットカード、そしてMNP予約番号だ。
ここで「SIMカード」か「eSIM」かを選ぶ。SIMカードを選ぶと、物理的なカードが郵送で届く(3〜5日程度)。eSIMを選ぶと、データだけでのやり取りになるため、申し込みが完了してから最短2〜3時間で切り替えられる。
ステップ3:SIM切替(eSIMなら即日)
SIMカードが届いたら、今のSIMを取り出して新しいSIMを挿入し、格安SIMのサイトで「切り替え手続き」を行う。この操作をした時点で旧キャリアとの契約は終了し、格安SIMが開通する。
eSIMの場合は届いたQRコードをスキャンするだけ。本当に簡単だった、と同期が言っていた。ただし、対応機種かどうかを事前に確認する必要がある。iPhoneは最近の機種はほぼ対応しているが、Androidは機種によって差がある。
格安SIMのデメリットと対策──速度・キャリアメール問題
格安SIMにはデメリットもある。あらかじめ知っておかないと、乗り換えてから後悔することになる。
一番多い「しまった」は、キャリアメールが使えなくなる問題だ。
@docomo.ne.jp、@au.com、@softbank.ne.jpといったキャリアメールは、乗り換え後に使えなくなる。今まで銀行や各種サービスの登録にキャリアメールを使っていた人は、事前にGmailなどに変更しておく必要がある。これを怠ると、認証メールが届かなくてアカウントにログインできない、という事態になる。
ちなみにドコモはキャリアメールを有料で継続利用できるサービスを提供しているが、月330円かかる。それならGmailに移行するほうが現実的だと思う。
実店舗サポートが基本ないと知っておく
格安SIMは基本的にオンライン完結型のサービスだ。大手キャリアのようにショップに行けばスタッフが設定してくれる、というサポートは期待できない。トラブルがあってもチャットや電話でのサポートが中心になる。
スマホ操作に不慣れな人や、設定を自分でやることに抵抗がある人には、この点がハードルになりうる。とはいえ、最近の申し込みフローはかなり改善されていて、画面の指示に従えば迷わずできるレベルになっている。
差がすごい。以前は格安SIMの申し込みがわかりにくいと言われていたが、2026年現在はUI改善が進んでいる。
2026年のeSIM普及で乗り換えがさらに簡単になった
2026年の大きな変化は、eSIMの普及だ。
eSIM(Embedded SIM)とは、スマホ本体に内蔵された仮想のSIMカードのことで、物理カードを差し替えずにキャリアを切り替えられる。QRコードやアプリ上の操作だけで完結するため、工程が大幅に短縮される。
特に大きいのは「即日開通」が可能になった点だ。以前はSIMカードの郵送待ちがあったが、eSIMなら申し込み完了から数時間で使い始められる。「スマホなしで数日過ごすのが不安」という心理的な障壁も解消される。
2026年現在、IIJmio、楽天モバイル、LINEMOはすべてeSIMに対応している。iPhoneはiPhone XS以降の機種ならほぼ問題なく使える。Androidはメーカーや機種により異なるため、移行前に必ず公式サイトで「eSIM対応機種一覧」を確認してほしい。
それから、SIMロック解除も忘れずに。2021年以降に購入した端末はSIMロックフリーで販売されているが、それ以前の端末はキャリアのSIMロックがかかっていることがある。ロックがかかったままでは格安SIMのSIMカードを認識しない。解除手続きは各キャリアのマイページから無料でできる。
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格安SIM乗り換えの前にやること──チェックリスト形式でまとめ
ここまでの内容を整理する意味で、乗り換え前にやるべきことを列挙しておく。
- ①キャリアメールを使っているサービスをGmailなどに変更しておく(最重要。銀行・ショッピングサイト・SNSなど)
- ②SIMロックがかかっていないか確認し、必要なら解除する
- ③eSIMを使う場合、自分の端末が対応しているか確認する
- ④MNP予約番号の有効期限(15日間)を念頭に、手続きのスケジュールを立てる
- ⑤現在のキャリアの契約更新月・解約違約金を確認する
⑤については、大手キャリアは2022年ごろから解約違約金をなくしているケースが多い。ただしオプションや端末割賦の残債は別の話なので、マイページで確認しておく。
契約更新月(いわゆる「2年縛り」の更新時期)に乗り換えれば違約金ゼロで出られるケースもあるが、そもそも違約金がないなら今すぐ乗り換えたほうが節約は早い。1ヶ月待つだけで6,000円近く差が出ることを考えると、待つ理由がない。
乗り換えた同期は「もっと早くやっておけばよかった」と言っていた。僕も同じ気持ちだ。年間7万円以上が毎年ムダになっていたと思うと、さすがに後悔した。
よくある質問(FAQ)
Q: 格安SIMに乗り換えても電話番号はそのまま使えますか?
A: MNP(番号ポータビリティ)の手続きをすれば、今使っている電話番号をそのまま格安SIMに引き継げます。MNP予約番号を現在のキャリアから取得し、乗り換え先に申し込む際に入力するだけです。手数料は現在無料になっています。
Q: 格安SIM乗り換えの手順はどのくらいの時間がかかりますか?
A: eSIMなら申し込みから最短2〜3時間で開通できます。物理SIMカードの場合は郵送に3〜5日かかるため、MNP予約番号取得から切り替え完了まで1週間程度を見ておくと安心です。事前準備(キャリアメール変更・SIMロック解除確認)を含めると、最初から最後まで1週間あれば余裕で終わります。
Q: 格安SIMは昼の速度が遅いって本当ですか?
A: 昼12時台や夕方17〜19時ごろは混雑しやすく、通信速度が落ちることがあります。ただし2026年現在、IIJmioをはじめ大手格安SIMは帯域改善を続けており、SNSやウェブ閲覧程度なら大きな問題はないレベルになっています。リアルタイムゲームや大容量動画を昼休みに楽しみたい方には、大手サブブランド(ahamo・povo・LINEMO)のほうが向いているかもしれません。
Q: キャリアメールが使えなくなると困る場合はどうすればいい?
A: 乗り換え前にGmail等の無料メールアドレスを作成し、銀行・ショッピングサイト・各種会員サービスの登録メールアドレスを変更しておきましょう。ドコモはキャリアメールを月330円で継続利用できるサービスもありますが、Gmailに統一するほうが長期的には管理が楽です。
Q: 格安SIM乗り換えで月3,000円以下は現実的ですか?
A: 現実的です。IIJmioの15GBプランなら月1,500円で利用でき、通話もRakuten Linkアプリを使うか、かけ放題オプション(月220円〜)を追加しても合計2,000円以下に収まります。月3,000円以下は十分に達成できる目標です。


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