結局、トランプ関税って今どうなってるの?日本への影響を2026年4月時点でまとめてみた

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「え、IEEPAって違憲になったんでしょ?じゃあ関税なくなったの?」

先月、職場の同僚にそう聞かれて、正直うまく答えられなかった。「あ、なくなってはいないと思う……たぶん」と言ったきり、うやむやになってしまった。

情けない話なんだけど、トランプ関税の話は動きが多すぎて、追いかけているつもりでも気づいたら置いていかれている。違憲判決が出た、でも別の関税が出た、日米で合意した、でもその合意前の話とごっちゃになっている──そういう状態になっている人、僕だけじゃないはずだ。

改めて整理してみた。2026年4月時点で「今どうなっているか」を、できるだけわかりやすく。

man in red jacket and brown pants holding brown wooden cart

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Q1:そもそもトランプ関税って何だったっけ?

2025年4月、トランプ大統領はIEEPA(国際緊急経済権限法)という法律を根拠に、主要国への「相互関税」を一気に発動した。日本に対しては当初25%という関税率が通告された。自動車についても、それまでの2.5%から一気に27.5%へと引き上げられた(こちらはSection 232という別の法律に基づく)。

「25%ってどのくらい?」と思う人もいるかもしれないが、たとえば100万円の商品を輸出すると、それだけで25万円の関税がかかる計算になる。自動車産業が特に打撃を受けたのは当然だった。

その後、2025年7月に日米間で交渉が妥結。相互関税・自動車関税ともに15%まで引き下げることで合意した。27.5%から15%、それでもゼロではないが、最悪の事態は避けられた、という受け止め方が当時は多かった。

Q2:「IEEPAが違憲」ってどういうこと?関税なくなったの?

ここが一番ややこしい部分だ。

2026年2月20日、アメリカの連邦最高裁がIEEPAに基づくトランプ関税を「違憲・無効」と判断した(賛成6、反対3)。「ついに関税がなくなる!」と思った人も多かったはずだ。

マジか。終わったじゃん、と思ったのも束の間──そうはならなかった。

違憲判決が出た数日後、トランプ政権は今度は別の法律、1974年通商法第122条を根拠として、全世界からの輸入品に一律10%の追加関税を発動した。IEEPAが使えなくなった穴を、別の法律で塞いだ形だ。この10%関税は暫定扱い(150日間)とされているが、延長される可能性も十分にある。

つまり答えは「完全にはなくなっていない」だ。IEEPAに基づく関税は消えたが、代わりの関税が登場した。

Q3:2026年4月の今、日本への関税は具体的にいくらなのか

現時点での主な関税をまとめると、こうなる。

  • 一般輸入品への追加関税:10%(Section 122・暫定)
  • 自動車・部品:15%(Section 232、日米合意に基づく)
  • 鉄鋼・アルミ製品:50%の追加関税(引き続き有効)
  • 先端半導体:25%(2026年1月15日から)

自動車関税15%はIEEPAではなくSection 232に基づくため、今回の違憲判決の影響を受けない。日米合意で決まった15%が、そのまま継続している。

鉄鋼・アルミの50%はかなり重い。日本の鉄鋼メーカーにとっては、引き続き厳しい状況が続いている。

A long row of parked cars in a warehouse

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Q4:自動車業界はどのくらいダメージを受けているのか

日本経済で最も影響が大きいのが自動車産業だ。数字がわかりやすいので、具体的に見てみる。

日系主要7社の2026年3月期の連結営業利益に与える影響(消失額)は、最大で2兆6,733億円と試算されている。会社別に見ると:

  • トヨタ:約1兆4,000億円の利益影響
  • ホンダ:約4,500億円
  • 日産:約3,000億円
  • マツダ:約2,333億円
  • スバル:約2,100億円

営業利益率への影響も大きい。トヨタは10.0%から6.6%へ、ホンダは5.6%から3.3%へと急落する見込みだ。マツダに至っては3.7%から1.0%まで落ちる試算もある。

トヨタグループはこの状況を受けて大規模な組織再編を断行した。「関税ショック」という言葉では済まないレベルの変化が、日本の製造業の中核で起きている。

消費者への影響もじわじわ出始めている。新車価格の引き上げを発表したメーカーが相次ぎ、「車を買い替えようと思っていたのに、値段を見て踏み切れなかった」という声も聞くようになった。関税というのは、工場の中だけの話で終わらない。

Q5:日本政府はどう動いているのか

2025年7月の日米合意に至るまでの交渉では、日本側はかなりの「手土産」を用意した。対米投資として政府系金融機関が最大5,500億ドル(約80兆円)を提供することを約束し、LNGなどエネルギーの追加購入、コメの輸入拡大なども盛り込んだ。自動車関税を27.5%から15%に引き下げるために、それだけの譲歩が必要だったということだ。

2026年2月の違憲判決後も、赤澤経済産業大臣がラトニック米商務長官に「日米合意より不利な扱いにならないよう」申し入れを行った。代替の10%関税についても、日本の対米輸出に与える影響を最小限にしようと交渉が続いている。

経済産業省は「米国関税対策ワンストップポータル」を開設し、関税の影響を受ける事業者向けの補助金制度(ものづくり補助金など)も拡充した。

Q6:一般の生活への影響は?家計はどのくらい変わるのか

「自動車メーカーの話でしょ、自分には関係ない」と思う人もいるかもしれない。でも、関税の影響は製造業だけには留まらない。

ある試算によると、関税の影響によって4人家族の家計負担は年間約8.9万円増えるとされている。政府の対策で約2.5万円分は緩和されるものの、それでも6万円以上の実質的な負担増だ。

影響を受けやすいのは以下のような品目だ。

  • 輸入車・国産車の価格上昇:自動車関税15%の影響で、新車価格が上がる可能性がある
  • パソコン・スマートフォン:半導体に25%関税がかかる影響で、電子機器の価格が上がりやすくなっている
  • 鉄鋼含有製品:建材や家電など、鉄を使う製品への間接的な価格転嫁

消費者意識調査でも「物価が上がると思う」と答えた人が73.2%、「生活が苦しくなる」と感じる人が57.5%に上っている。実感としての「値上がり感」は、すでにかなり広がっている。

日本の2024年の対米輸出総額は21.3兆円にのぼる。この巨額の輸出に、次々と関税が上乗せされていく。その重さは最終的に企業の価格設定に反映され、いつか必ず消費者の財布に届く。「自分には関係ない」と言いきれる人は、実はほとんどいない。

a man standing in front of a display of vegetables

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今後どうなる?注目点は2026年後半

現在発動中の10%追加関税(Section 122)は「暫定・150日間」という建て付けになっている。2026年後半には期限を迎えるため、延長されるのか、別の措置に切り替わるのか、あるいは交渉で引き下げられるのかが注目される。

また、米USTRがSection 301調査を日本を含む主要国を対象に開始しており、追加的な関税措置が出てくる可能性もある。鉄鋼・アルミ・銅への規制強化も続いている。

「関税の嵐」は収まったわけではなく、形を変えながら続いている。日本経済にとっては、まだ予断を許さない状況が続く。

個人的に気になっているのは、こうした不確実性が企業の設備投資や採用に与える影響だ。「関税がどうなるかわからないから、大きな決断ができない」という状態が長引けば、経済全体の停滞につながりかねない。数字で見える影響だけでなく、見えない部分でのコストも積み上がっている。

結論:「関税はなくなっていない、形が変わっただけ」

改めて整理するとこういうことだ。

IEEPAに基づく関税は確かに違憲判決で無効になった。でも、代わりに10%の追加関税(Section 122)が登場した。自動車の15%と鉄鋼・アルミの50%は別の法律に基づいているのでそのまま継続。日本経済、特に自動車産業は引き続き関税の重みを背負い続けている。

「結局どうなったの?」という問いへの答えは「なくなってはいない。複雑な状況が続いている」だ。

あの職場の同僚に、ちゃんと答えられるようになった。次に聞かれたら、今度はきちんと説明できる気がする。

関税の話は難しい。法律の名前が飛び交い、数字が次々と変わり、合意したと思ったら別の問題が出てくる。でも「自分には関係ない」と目を背けていると、気づいたときには財布の中身がじわじわ減っている。そういうことが、すでに起きている。

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